努力を続けられる場所 /理科教師 南 達也

2021/12/18

ただの教師と言うなかれ。
ここは、読心と気遣いのプロが集う場所。
 

PROFILE

努力を続けられる場所 /理科教師 南 達也

南 達也

2011年新卒入社

宮崎大学大学院出身
理科担当教師
英進館 大橋校教室長

本当にやりたいことを突き詰めてみたい

12年前のあの日、私はある境地に辿り着いた。
いつか来る老後、できることなら楽に生きたい。
そして、今よりさらに快適な生活を送りたい、と。

大学院1年の3月。志望していた木材メーカーからのお祈りメールを受け取り続けて、このまま就活をしても無駄だと悟りました。

どうせなら本当にやりたいことを突き詰めて考えてみようじゃないか。

1ヶ月ほど就活から離れて考えた結果…「老後を楽に過ごす」という境地にたどり着いてしまったのです。

英進館であれば努力し続けられると確信

南先生のインタビュー風景
さらに悠々自適に余生を過ごすために何が必要か考えた末、不可欠なのは自分よりも若い世代の協力だということでした。

子どもたちへの教育に携われば、その次世代が作り上げる未来で自分の願いを実現できるのではと考えたのです。

安易な考えだと思われるでしょうか?
当時の私は、思い至った境地に確信をいただきつつも、どこかで迷いがあったのも確かです。
当時農学部に在籍し菌類・森林学という専門分野を専攻していたため、この時期に志望業界を変えるのは、これまで学んできた知識や捧げた時間を無駄にすることではないかと。

そんな迷いを打ち消してくれたのは、英進館の説明会で筒井社長が言った「自立した社会人の育成」という企業理念。
この言葉は、教育業界に進むかを迷っていた私の背中をぐっと押してくれました。

まさしく、私の叶えたい未来と合致する理念そのものでした。
だから、就活は英進館の内定が出た時点でやめました。

思い返してみれば人生で一番うまくいっていた時期は、英進館に通っていた小中学生時代。
中学生時代はサボり癖があった私ですが、英進館だけはその癖がまったく出ない場所でした。

勉強を頑張れたのは、きっと教師や同級生のおかげ。
唯一努力を続けられる場所だった英進館だから、働くにあたっても手を抜いたりすることはないだろうという妙な安心感がありました。

ただひとつ、入社前に懸念していたことがあります。
それは、自分の説明を生徒が理解してくれるか、という不安。

中学時代、私はクラスの中でも成績がいい方でしたから、問題の解法を聞かれることがよくありました。
でも、なぜか私の説明では理解してもらえないことが多くて。

そんな学生時代の経験から、なんとなく教師の仕事はうまくいかないかもしれないぞ、という気持ちはありました。

その予感は、見事に的中するのですが…。

相手の理解度に合わせて説明する力を身につける

南先生の授業風景
授業の手応えがない。生徒から反応が返ってこないのです。
アンケートには「授業が面白くない。」と暗に書かれていました。

自分の未熟さを現実として叩きつけられた気分でしたね。
流石にこのままではいられない、授業のやり方から生徒との接し方は、早急に改善せねばと。

まずは、内定承諾以降続けていた、入試問題解きなおしをやめました。
代わりに、その時間を教師として授業のスキルを上げるための時間にシフトさせました。

私に足りないのは、相手の理解度に合わせて説明する力。
相手がどれだけ理解しているのかを知ることから始めなければいけませんでした。

噛み砕いて説明するのは、相手の理解レベルを知らないとできない。
さらに必要なことは授業の「デフォルメ化」です。これには一番苦労しましたね。

加えて、興味を持って聞いてもらうためにはどうすべきか、という問題が立ちはだかります。

冗談を交えるタイミング、どう言えば笑いがとれるのか…探り探りの授業でしたが、生徒の身近なネタを使ってコツを掴んでいきました。

科目の基本知識は身についていたので、あとはその情報をどう生徒にわかりやすく伝えるか、2年目は試行錯誤の毎日だったと思います。

あとは、大学時代の学びが活かせると気づけたのも大きかった。
ただ授業をするのでは面白くないから、と始めた大学時代の研究話は生徒からも好評なんですよ。

牛の食事量から飼育に必要な牧草地を試算するために、24時間ずっと牛を尾行する実験や、胃の機能を研究するため腹部に窓がつけられた牛を観察した後、気まずい気持ちで食べたBBQの話などなど。

とある生徒の保護者の方からは、家で窓付きの牛を画像検索して興味深そうに話してくれたと面談で聞きました。家庭でも授業の話をしてくれているのだと知れてとても嬉しかったですね。

そんな努力の甲斐あってか、アンケートの結果も徐々に改善。教師職も板についてきたか、と思っていた矢先の3年目。

事件は起こるのです。

自分の仕事に自信がついてきた矢先の出来事

南先生仕事風景
それは新しい上司からの叱責でした。「あなたは周りが見えてなさすぎる。チームプレイの動きができていないよね。」と。

頭に雷が落ちたような衝撃でした。今思えば新卒入社から2年間、教師としての指導力しかつけていなかったのでしょう。

自分なりに成長していると自信がつきつつある矢先の出来事でしたから、相当ショックでしたよ。

でも、ここで踏ん張らなければ、英進館での未来はない。
家族のためにも出世しなければって。否が応でもこの上司の元で、成長しなければいけないという覚悟ができたきっかけです。

あるとき、上司が言いました。
「〇〇君が悩んでいるように見えるよ。一回保護者の方と話しといた方がいい」と。

保護者の方から面談の申し出があったのは、その直後でした。
なぜ予知能力が使えるのか、上司の圧倒的な洞察眼を見せつけられましたね。

英進館の教師は、授業を教えるだけの仕事ではない。
生徒ひとりひとりの心情までも読みとり、先回りして行動することが求められるのだと実感しました。

上司からの指導がターニングポイントに

南先生ミーティング風景
また、上司は言いました。
塾教師は、学校教諭との決定的な違いがあると。それは、サービス業であること。

生徒は、高尚な教えを乞うために学習塾に通うわけではありません。
学習塾とは、教師とのコミュニケーションや指導によって、勉強への意欲を高め、学習につなげる場なのです。

生徒が何に悩んでいるのかを推し量り、きめ細やかにフォローすることができる教師こそ、生徒に信頼される。
またその度合いは、生徒の成績となって如実にあらわれます。

上司が私に教えてくれたのは、こうした塾教師としての生徒との向き合い方、そして英進館の教室責任者として教場全体を俯瞰して見極めるスキル。

その上司が異動するまでの4年間、朝晩の通勤をともにするほど濃い時間をともに過ごし、本当にたくさんのことを学ばせていただいたと思います。

初めは教えてもらうことばかりでしたが、徐々に上司と感覚や意見が一致するようになったことで、確かな自信にもなりました。間違いなく人生のターニングポイントです。

英進館での成長が人生の糧になっている

南先生インタビュー風景
私は英進館に入社して泣いたことが、3回あります。
すべて合格発表でのできごとです。

とくに入社1年目、初めての合格発表は忘れられません。

いつも模試で志望校のボーダーをぎりぎり越えられなかった、中学3年生のある生徒。
彼女は受験直前まで志望校を変更するか迷っていましたが、そのままの志望校でGOサインを出しました。

結果は不合格。

入試前に英進館で合格祈願のために書いた絵馬には、小さな文字で「頑張ります」と一言だけ書いてありました。

ああ、不安だったんだな…。

内なる不安を抱かせたまま受験に向かわせてしまったこと、彼女の精神的な不安定さを見抜けなかったこと。

今でも思い出すと、はがゆい気持ちでいっぱいになります。
不合格の報告を受けた後、仕事帰りに車中ひとり泣きました。

私たちは、ただ科目を教えるだけの教師ではありません。
上司が教えてくれたように、どんな時も生徒ひとりひとりに向き合って、成績面や精神面で彼らの成長を見守らなければいけない。

彼らの成長を支え続けるこの仕事、その意義は計り知れないほどにあります。
しかしそれは難しく、ときに悔しさを伴うもの。
今でも立ち止まってふと悩むこともあります。

でも、仕事に対する覚悟の強さは入社してから劇的に変わったと思います。
完成形としての教師なんて、お手本はどこにもないけれど、挑戦することをやめたら英進館での成長は頭打ち。

私の密かな夢である「悠々自適な老後の生活」を次世代の人たちに支えてもらうためにも、まずは自分自身が「自立した社会人の育成」に全力を注ぎたい。

今も子供たちの教育のために全力で邁進できるのは、ここでの成長が間違いなく自分の人生にとって糧となっている自信があるからなのだと思います。
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