全力でやり切ること。それが自分の原動力/国語教師 丹波 志遠

2025/11/19

営業で培った「相手に寄り添う力」を、今は生徒たちに。
共感から始まる信頼が、学びを前に進める原動力になる。

PROFILE

全力でやり切ること。それが自分の原動力/国語教師 丹波 志遠

丹波 志遠

2024年7月 中途入社

関西学院大学出身
国語科教師

営業職から講師の道へ

新卒で最初に入社したのは、プロパンガスの営業会社でした。教育とはまったく関係のない業種でしたが、その会社が介護や飲食、教育など幅広い事業を展開していて、営業職を経験した後に教育事業部へ異動することになりました。

もともと営業がやりたかったというよりも、会社説明会で出会った社員の人柄に惹かれて、「自分もこんな人になりたい」と思ったことが入社の決め手でした。正直、話すことが得意ではなかったので営業職は挑戦でしたが、試行錯誤の末、社内の新人大会で結果を残すことができました。この経験が、今の仕事にも大きく生きていると感じています。

その後、福岡出身のパートナーとの結婚を機に、将来の子育て環境を考えて九州への移住を決めました。新しい土地での生活には不安もありましたが、柔軟に環境を変えながら自分の成長を追いかけたいという思いもありました。

転職活動の際には、パートナーから「九州で塾といえば英進館」と聞いていたことや、他の知り合いからも「九州でトップクラスの塾だ」と勧められたことが後押しとなり、入社を志望しました。もともと国語が得意だったこともあり、現在は国語の講師として、生徒たちと向き合う毎日を送っています。

“相手に寄り添う力”は、営業でも教育でも変わらない強み

前職では、いわゆる訪問販売のような形で、一般のご家庭を一軒一軒まわり、「プロパンガスの切替はいかがですか」と提案する仕事をしていました。
ちょうどコロナ禍の時期でもあったので、最初は非常に警戒されることが多く、まずは信頼してもらうことが何よりも大切でした。すぐに商品を売り込むのではなく、少しずつ心を開いてもらいながら関係を築くといった信頼関係づくりを学んだことが、大きな財産になっています。

この経験は、今の授業や生徒との関わりにも直結しています。たとえば、国語が苦手な生徒に対しても、唐突に「頑張ろう」と言うのではなく、「国語って難しいよね」と同じ目線で共感するようにしています。
そこから少しずつ「国語はこういう学問で…」と伝えていくことで、自然と興味を持ってもらえるようになります。このように、まず相手に共感し、信頼関係を築いた上で本質を伝えていく対話の進め方は、まさに営業で培ったスキルであり、自分の強みになっていると感じます。

また、営業で培ったスキルは、保護者様との面談にも活かされています。たとえば、季節講習に参加してくださったご家庭に対して、「講習を通して見えた課題はこういった点ですので、引き続き通塾いただくと効果的です」とお伝えするような場面です。
生徒や保護者様に納得してもらいながら前向きな選択をしていただくといった対話の力は、前職で培ったスキルが活きていると感じています。

“伝える力”を磨く日々

入社当初は、集団授業に慣れるまでが一番大変でした。これまで個別指導で教えてきたので、数十人の前で話をするというのはまったく新しい経験でした。

また、出身は兵庫ですが前職は関東勤務だったため、福岡に来た当初は人柄や雰囲気の違いに戸惑うこともありました。九州の方は、自分の意見をはっきり伝える方が多い印象で、「あ、こういう考え方もあるんだな」と感じる場面が多かったです。そうした違いを理解しながら、自分もその環境に合わせて考え方を柔軟にしていくことを意識しました。

一方で、周囲に合わせすぎて、自分の意見を強く主張できない場面もありました。たとえば夏期講習後の面談では、秋以降も受験に向けて継続を勧める際に、「今やらないと間に合わない」という切実な気持ちがうまく伝わらないことがありました。
関東で営業をしていた時は、あえて言いすぎない方が相手の反応を引き出せることも多かったのですが、こちらではむしろはっきり言い切ることが求められると感じています。

ただ、強く言えばいいというものではなく、根拠を持って伝えることが大切です。ベテランの先生方の面談を見ていても、「この期間でこれだけ成績が伸びました。これは〇〇(単元)で点が取れるようになった成果です。次はこの部分を補えば、志望校合格にぐっと近づけますよ」と具体的な理由を示したうえで、力強く背中を押しているんですよね。
私もそんな説得力を持てるよう、日々の授業や生徒の変化を丁寧に見つめながら、自分の中に確かな根拠を積み重ねていきたいと思っています。

生徒に“納得”を届けるために。学び続ける日々がやりがいにつながる

入社して感じたのは、英進館には本当に素晴らしい先生方が揃っているということです。同じ教場に国語の先生が4人いらっしゃり、皆さん知識も教養も桁違いで、どんな言葉からでも話を広げられるんです。
初めて私の授業を見てもらったときには「もう少し勉強が必要だね」と言われたこともありました。最初は圧倒されるばかりでしたが、それでも毎日少しずつ勉強を重ね、冬頃に「もう君は大丈夫だよ」と声をかけてもらえた瞬間は、本当に努力が報われたと感じました。

それ以来、授業準備のための勉強が日課になっています。小学生の国語でも、「なぜこれが答えになるのか」を明確に説明するためには、ただ知っているだけでは不十分です。生徒や保護者様に納得してもらうためには、自分の中で根拠を整理し、言葉で伝えられる力が必要です。そのために毎日1時間ほど、自宅で教材を研究したり、過去問を分析したりしています。こうして積み重ねた時間が、自信となって授業に表れる瞬間に大きなやりがいを感じます。

苦手に立ち向かう生徒の姿から、教える喜びを実感

生徒との関わりで印象に残っているのは、現在6年生のある生徒です。もともと国語が苦手で、授業中も苦戦している様子が見られたのですが、毎回授業の後に「どうやったら成績が上がりますか」「この問題はどう考えればいいですか」と熱心に質問しに来てくれていました。
その積み重ねの結果、見事に、特に国語で成績を伸ばし、上位クラスへ昇格したんです。その時に「丹波先生のおかげでクラスが上がりました」と言ってもらえた瞬間は、本当にうれしかったですね。

苦手なことに真っすぐ向き合うのは、大人でも難しいことだと思います。その中で努力を続ける姿を生徒に見せてもらって、改めて生徒の頑張りに応えられる先生でありたいと感じました。

一方で、すべての生徒が最初から積極的に質問できるわけではありません。だからこそ、まずは「国語」や「先生」という存在を好きになってもらうことを大切にしています。興味や関心が芽生えれば、自然と「なぜ?」という疑問が生まれ、それが学びの原動力になります。スポーツでも同じように、自分で課題を見つけて改善しようとする姿勢こそが、苦手を克服するうえで大切だと思います。こちらから課題を伝えるだけでなく、生徒自身が「ここを直したい」と思えるような授業を心がけています。

全力でやり切る。そして、素直に学び続ける姿勢を忘れない

仕事をする上で一番意識しているのは、「本気でやり切ること」です。前職で営業をしていた時、先輩から言われた言葉が今でも心に残っています。
「もしこの目標が“人生を左右するもの”だとしたら、今と同じ努力をするか? そこに差があるなら、それはまだ全力を出し切れていない証拠だ」と。
極端な言葉ではありますが、確かにその通りだと思いました。本気で取り組めば、やれることはもっとあるはず。だからこそ、どんな状況でも「自分は全力を尽くしているか」と常に問いかけるようにしています。

また、自分とは異なる考え方であっても、一度受け入れる姿勢を持つことも心がけています。
営業時代、成果が出せずに悩んでいた頃、上司から「売れていない自分のやり方に固執するな。結果を出している人のやり方を素直に吸収しろ」と言われたことがあります。
最初は悔しかったものの、その言葉を信じて行動した結果、実際に成果が出ました。その経験から、結果を出している人の意見は、まずは素直に受け入れてみることの大切さを学びました。

この考え方は、今の仕事にも通じています。生徒たちの中にも、なかなか結果が出ずに悩む子がいます。そうした時こそ、先生の言葉を信じて「一度やってみよう」と思ってもらうことが大切です。
そのためにも、日ごろから信頼関係を築き、「丹波先生の言うことならやってみよう」と思ってもらえる存在でありたいです。

着実に前進する日々が、自分の未来を形づくる

将来の明確なポジションやキャリア像が、はっきりと定まっているわけではありません。 だからこそ今は、とにかく「生徒の成績を上げること」に全力で取り組んでいます。「どれだけ多くの生徒の成績を、どれだけ大きく伸ばせるか」を、より高いレベルで追求していきたいと考えています。

まずは、目の前の授業や生徒に真摯に向き合い、結果を出すこと。生徒一人ひとりの成績を着実に伸ばしていく、その地道な積み重ねが自分の成長や次のキャリアにつながり、自然と次のステージが見えてくるはずだと信じています。

オフの日は九州を巡ってリフレッシュ

休日は、妻と一緒に食事に出かけたり、買い物をしたりして過ごしています。私の教場では、4月、5月、8月、9月、10月などにまとまったお休みが取れるので、そのタイミングで旅行に行くことが多いです。

福岡に来てからは、九州各地を少しずつ巡っています。最初は大分の湯布院や別府へ行き、その後は唐津や呼子、最近では長崎にも足を伸ばしました。次は鹿児島や宮崎に行ってみようと思っています。どの地域も食べ物がおいしくて、つい食べ歩きが中心の旅行になってしまいますね。

仕事では集中して全力を尽くす分、オフの日はしっかりリフレッシュするようにしています。九州は自然も豊かで、温泉も多く、食も魅力的なので、これからもいろいろな場所を訪れて楽しみたいです。

最初から“すごい人”でなくていい。努力を見て、成長を支えてくれる環境がある

英進館には、知識や指導力、生徒との向き合い方など、あらゆる面で尊敬できる「すごい先生方」がたくさんいます。常に刺激を受けながら、自分も成長できる場所だと感じています。

ただ、最初から“すごい人”である必要はまったくありません。私自身、集団授業は初めての挑戦でした。それでも努力を積み重ねる中で、教科の責任者の先生から「もう大丈夫だよ」と認めていただけた瞬間がありました。英進館には、頑張る人をきちんと見て、声をかけてくれる風土があります。

また、研修やOJTなど、周りの先生方が丁寧にサポートしてくださる環境も整っています。質問をすれば、皆さんが時間を取ってしっかり教えてくれる。そんな温かい雰囲気も英進館の魅力です。

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