生徒の心に響く文章問題を/教材作成・国語教師 三谷 壮一郎

2024/02/28

「この問題を解いた生徒の中には、きっと志望校に合格する子がいる」
生徒の未来を想像しながら、教材に想いを込める

PROFILE

生徒の心に響く文章問題を/教材作成・国語教師 三谷 壮一郎

三谷 壮一郎

2004年新卒入社

福岡教育大学大学院出身
教務本部にて教材作成を担当
国語教師 主任職

学習塾では小学生にも国語を専門に教えられる

私は、学生時代から読書と国語の授業が大好きでした。

大学は教育系に進み、小学校教員養成課程の国語科専攻で、国語教育を幅広く学びました。
その後大学院に進学し、将来の進路を考えていた時期に新聞広告で偶然目に留まった会社が英進館です。

小学校の先生は国語以外にも算数や体育などのすべての教科を担当しますが、学習塾であれば国語だけを専門に教えられるので、自分の力を最大限に発揮できるのではないかと考えたのです。

英進館に入社後は、教場で国語科教師として10年以上教鞭をとっていました。
国語の授業と教材作成のほか、保護者様や生徒の対応も担当していました。

私の経歴は、2004年に英進館に新卒入社し、十数年勤務の後、一度非常勤の期間を経て、2019年に5月中途入社をして現在に至ります。

現在は、日中は教務本部で教材を作りながら、夜は国語科教師として教壇に立ち続けています。

教務本部で教材・テスト作成を担当

英進館 教材作成 三谷先生の仕事風景
教務本部では、教場の先生と生徒が授業で使う教材やテスト、模擬試験を作成しています。

教材作成は、各教科や学年ごとに分担しながら行います。
私は小6と中3の難関私立校部門を担当しており、ほかにも中3の公立高校部門や小6の私立中学校部門などのさまざまなチームがあります。

教材作成担当のメンバーは、各教科10名程度です。
中には、現場で教材を作成している教師もいるので、お互いに連携をとりながら業務にあたっています。

各学校の先生のメッセージを想像する

国語科の教材やテストの文章問題では、一つの物語のワンシーンを切り取って出題します。
どの場面を切り取るかは、最も頭を悩ませるポイントですね。

文章が短すぎても長すぎても問題として成立しないですし、切り取る場所によっては筆者のメッセージが間違って伝わってしまうこともあります。

一つの文章問題を作るために10冊ほどの作品を読み、作問をしっかり練り上げています。

さらに、模擬試験を作る際は、各学校の入試問題の分析・研究を重ねます。
「この学校の先生なら、この作品のこの部分を切り取るだろうな」と想像するのです。

それぞれの学校が入試問題として選ぶ文章には、メッセージがあります。
入試問題を通して、その学校が掲げる生徒像や「このような題材を理解できる生徒に入学してほしい」という先生方の熱い想いが伝わってきます。

ある私立中学校の入学試験では、現代社会で問題になっている事柄にまつわる題材が出題されます。
例えば、「アフターコロナの世界でどう生きていきますか」「戦争についてどのように考えますか」という問題では、ただ本を読む力だけでなく、世の中の流れに問題意識を持ちながら文章を読めるかが問われます。

その学校では、受験のための勉強だけでなく、新聞やニュースに対して興味を持ち、主体的にアンテナを張っている生徒を求めているのだと思います。

入試で出題される文章問題は、直近1年以内に出版された本から選ばれることが多いです。
学校ごとに特徴、傾向と対策があるので、子どもたちの志望校に応じて取り上げる作品を選んでいます。

教材やテストは子どもたちの未来に大きな影響を与える

英進館 教材作成 三谷先生の授業風景
入社2年目から、模擬試験や授業で使う教材の作成に携わってきました。

初めのうちは、どのように問題を作ればよいのかわからず手探り状態でした。

特に国語は、問題作成者の主観が入りやすい教科といえます。
それでも、テストは〇か✕の答えや点数が出るものなので、全員が納得できる答えである必要があります。

私も問題を作っていて「自分はこの登場人物の心情をこのように理解したけれど、本当に合っているのだろうか?」と悩んだり苦しんだりした時期もありました。

入社3~4年目になると任される仕事量が増えていきましたが、常に「作業」にならないように心がけていました。
教材やテストは、生徒の志望校選びや今後の人生に関わってくるものです。
それだけ、自分の仕事が子どもたちに大きな影響を及ぼすと考えています。

入試問題を過去何十年分とさかのぼって解いて、「この問題はどのように作られたのだろう」「なぜこの答えになったのだろう」と考え続けて見えてきた部分があります。

入試問題で出題された文章問題の小説を、丸々一冊読んでみることもしました。
「問題を作った先生は、なぜこの部分を切り取ったのだろう?」「自分ならこの部分を切り取るかな」と意図を考えました。

本はずっと私の人生とともにあったので、その経験が活きています。
同僚にも「三谷さん、どうやって問題を作っているんですか?」と聞かれることがありますが、教材作成を長年続けていくうちに、経験と勘が蓄積されてわかるようになってきました。

私は現在教務本部に所属していますが、現場のリアルを感じるために教師として授業もしています。
生徒の反応やつまずきやすいポイントを、自分の肌で感じたいからです。

生徒の声を聞きながら「このようなタイプの問題が苦手なのだな」「似たような問題を作って、練習してもらおうかな」と都度微調整を加えながら教材作成に取り組んでいます。

校舎では、私が作った問題を解いた生徒から「先生、今日の作品はとても面白かったです!」「お話の続きを読んでみたいです!」とポジティブな声をもらえることも嬉しいですね。

子どもたちに本に興味を持ってもらえると嬉しい

教材作成の仕事のやりがいは、英進館の全校舎の生徒に携われることです。
教師として現場にいると、授業や生徒対応は自分自身の手が届く範囲にしか対応できません。

模擬試験や授業で使う教材は、全校舎の生徒が解くものです。
一方で、私が作問を間違えると全生徒に迷惑がかかってしまうので、責任も重大です。

できるだけ独りよがりにならないように、全体にとってプラスになるようにという視点は忘れずに意識しています。

国語の文章問題で扱う本を選ぶ時は、「小6や中3の子どもたちに読んでほしい本」「入試に出そうな本」という観点とともに、私自身が読んでいて感じた気持ちも大切にしています。

私自身が読んで「楽しい!」と感じた作品を採用することにこだわっています。
英進館の生徒たちが、教材やテストの文章問題をきっかけに「素敵な作品だな」「読書って面白いな」と興味を持ってくれると嬉しいですね。

教材作成は生徒への影響力を想像できる方に向いている

英進館 教材作成 三谷先生の仕事風景
教材作成の仕事は、「自分自身の仕事の影響力に想いを馳せられる人」に向いていると思います。

教師と生徒との一喜一憂が繰り広げられる校舎に比べると、教務本部での教材作成の仕事は目の前の生徒と直接コミュニケーションをとる機会が少ないです。

教務本部は英進館の土台です。手元に教材が届かないと、現場の先生方は授業を始められません。

また、自分が選んだ作品や作った問題は、ひょっとしたら子どもたちの入試本番に出るかもしれません。
「この問題を解いた生徒の中には、きっと志望校に合格する子がいるはずだ」と想像力を広げることができれば、この仕事はとても楽しいですよ。

教材作成者は、自分が作っている教材の先に生徒や保護者様の顔を想像しています。
国語科の場合は「この文章を読んで生徒に感動してほしい」「この作品が入試に出てほしい」「現場の教師にはこういうふうに教えてほしい」と想いを込めることが大切です。

教材作成の仕事は、現場とは異なる意味で大きな影響力を持っているのです。

休日は我が子とともにリフレッシュ

英進館 教材作成 三谷先生のプライベート
休みの日は、仕事と趣味を兼ねて自宅で本を読んでいることが多いですね。
3歳の息子が遊び盛りなので、公園で子どもと遊ぶこともあります。

寝る前には、本の読み聞かせもよくしていますよ。
息子も本が好きなので、一緒に本屋さんに行っています。
最近では、絵本だけでなく、文字だけの難しい本をリクエストされてチャレンジすることもあります。

私自身は「子どもには本に限らず好きなことをしてほしい」と思っているタイプですが、子どもが「読みたい!」と言ってくれるうちは一緒に楽しみたいですね。
息子との時間は、私にとってもよいリフレッシュになっています!



 

人事より|インタビューを終えて

今回は、普段はなかなか知ることのできない、教材作成の裏側を伺うことができました。
日々研究を重ね、想いを込めながら教材を作られる三谷さんの、ほとばしる情熱が伝わってきました!

英進館では、2025年度新卒採用から教材・テスト作成スタッフの募集が始まります。
教材作りを通して生徒の未来をサポートする仕事に、興味を持っていただけると嬉しいです!

英進館人事担当 南
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