「楽しさ」と「厳しさ」で常に生徒の感情が動く授業を/教室長 土屋 文人
2026/07/24
生徒の感情が常に動く“ライブ感”のある授業。
最初は誰かの真似から始めて、自分の個性の色をつけていく。
PROFILE

土屋 文人
2009年4月 中途入社
東京工業大学(現東京科学大学)
理科 教室長
挫折を経て見つけた「情熱を注げる場所」

大学を卒業後、一度は関東の某進学塾に就職したものの3年で退職しました。その後は地元・福岡で小学校の教員を目指し、フリーターとして働きながら資格試験の勉強をしていましたが、残念ながら結果は不合格。「これからどうするべきか」と悩んだとき、真っ先に頭に浮かんだのは、自分が中学生の頃に通っていた英進館の「活気ある教室の風景」でした。
「自分らしく、情熱を持って働けるのはここかもしれない」そう感じて英進館の門を叩き、素晴らしいご縁をいただくことができました。遠回りをしましたが、今こうして教育の最前線に立てていることを本当に嬉しく思っています。
「楽しさ」と「厳しさ」の振れ幅が信頼を生む

英進館の授業を一言で表すなら「生徒を巻き込む圧倒的なエネルギー」です。廊下を歩けば、あちこちの教室から先生たちの元気な声が響き渡っています。
私が中学生の頃に教わっていた先生も、とにかく授業が面白く、毎回お腹を抱えて笑っていた記憶があります。
しかし、ただ楽しいだけではありません。やるべき宿題を忘れたり、ルールを守らなかったりしたときには、ごまかしを許さずしっかりと諭す「厳しさ」がありました。点数で怒るのではなく、学習に対する「姿勢」を正すための厳しさです。
この「楽しさ」と「厳しさ」の振れ幅が広いほど、生徒は先生を信頼し、ついてきてくれるのだと信じています。
ここで言う厳しさとは、点数の良し悪しではなく、授業に対する姿勢やルールの守り方のことです。
子どもの成長過程において、間違いはつきものです。何がいけなかったのか、どうするべきだったのかをしっかり諭して、理解してもらうことが大事ですね。
私の授業は、基本的には生徒を徹底的に引き込む「参加型」です。何より大切にしているのは「いかに笑わせるか」ということ。授業中に脱線することも多々ありますが、感情が動く授業こそが生徒の記憶に残り、学習へのエンジンになるという信念のもと、授業をつくっています。
「話すのが苦手」を克服し、コミュニケーションを意識

とはいえ、もともとは人前で話すのが大の苦手で、他人にあまり興味がないインドアな学生でした。当然、最初の授業は散々な結果に。小学生の生徒から「先生、新人なんでしょ?」と見透かされ、ダメ出しをされた日の悔しさは今でも忘れません。
「このままではいけない」と決意した私が始めたことは、先輩教師の「徹底的な模倣」です。説明の仕方から間の取り方まで、個性豊かで尊敬できる先輩たちの授業をひたすらコピーしました。
ただ、話し方は真似できても、その人の持つ「雰囲気」までは自分のものにできません。
そこで私が力を入れたのが、授業外でのコミュニケーションです。休み時間の質問対応や何気ない会話を重ねるうちに、生徒たちは「この先生は自分のために一生懸命動いてくれる」と熱意を感じ取ってもらえるようになりました。
その信頼関係のベースがあったからこそ、授業スキルが追い付いていない時期でも生徒たちが慕ってくれ、私自身の成長と自信へと繋がっていったのです。
生徒の感情が常に動く“ライブ”のような参加型授業

私の授業は、台本があるわけでもなければ、一から十まで完璧に計算されているわけでもありません。だからこそ、その時々の教室の雰囲気や生徒の反応を見て、ライブ感のあるやり取りを大切にしています。
ただテキストを読み上げるのではなく、楽しい・緊張するみたいに、感情が常に動くことを心がけています。もちろん大事なポイントは抑えて「テストで点数を取れる授業」は必ず意識しています。
生徒から「土屋先生の授業はいつも明るくて、気がついたら授業が終わっている」と言ってもらえることが増えました。
テストや入試のためにただ勉強するのではなく、楽しく学んだ結果として力がつく。そんな空間を作ることで、私なりの個性が活きているのだと思います。
AIには真似できない、人が教えるからこそ伝わる熱量

AIや便利な動画教材が普及する現代において「塾に通う意味」を問われることもあります。しかし、どれほどツールが発達しても、子どもたちが一人でそれを使いこなすことは容易ではありません。
特に多感な時期の子どもたちは、親の正論よりも「信頼できる第三者の大人」の言葉に素直に耳を傾ける傾向があります。「この先生の喜ぶ顔が見たいから頑張ろう」という感情は、機械には決して引き出せません。
人と人を介することでしか動かせない熱量が、対面の塾という場には間違いなく存在します。
正解がないからこそおもしろい

これから英進館への入社を考えている方に伝えたいのは「まずは型を学ぶことから始めてほしい」ということです。先輩の真似で構いません。その土台の上に、あなた自身の個性を上乗せしていってください。
塾講師という仕事には「これができれば完璧」という正解がありません。同じ説明でも、クラスの雰囲気が違えば全く通じないこともあります。だからこそ毎日が新鮮で、20年以上続けても飽きることのないおもしろい仕事なのです。
教室長として3年目を迎え、マネジメントの難しさを痛感する日々です。それでも、受験が終わった後に、生徒が「ありがとうございました。先生の授業はいつも楽しかったです」と挨拶に来てくれたとき、この上ない喜びを感じます。
完璧を目指す必要はありません。目の前の生徒の反応に一喜一憂し、毎日試行錯誤すること、それすらもこの仕事の醍醐味です。ぜひ、あなたらしい個性を存分に発揮して、生徒たちの未来を変える一歩を私たちと一緒に踏み出しましょう。






